(12)幸助は気の毒なことになっちまって
さかえ屋に仕立物を届けに行くと、応対に出たのは幸助ではなく、その朋輩の乙吉という手代だった。
いつもの三畳間で検品を受けているとき、おしまは気になってつい尋ねた。
「あのう、今日は幸助さんは?」
すると乙吉は、一瞬辺りをはばかるように周囲を見回し、それから…
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