「ロシア宇宙主義」ボリス・グロイス編 乗松亨平監訳 上田洋子ほか訳

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「ロシア宇宙主義」ボリス・グロイス編 乗松亨平監訳 上田洋子ほか訳

「ロシア宇宙主義」は学説ではなく、19世紀末から20世紀初めの、ある著述者たちを指す。それは、死後の世界に対するキリスト教的な信仰が崩れ去った後、目に見える「秩序ある宇宙」を人が生きるための唯一の場所として考えた人たちである。

 ロシア宇宙主義の理論家たちは宇宙を人類が全面的に支配し、個人の不死を保証しようと呼びかけた。それを実現する手段となったのが中央集権的な世界国家である。

 ポストモダン思想のリーダー、グロイスが、「ロシア宇宙主義者」と呼ばれる人の中から、ロシアの思想家、ニコライ・フョードロヴィチ・フョードロフ(1829~1903年)ら、5人の著作を紹介する。

(河出書房新社 3960円)

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