「室町ワンダーランド」清水克行著

公開日: 更新日:

「室町ワンダーランド」清水克行著

 1480年、室町幕府8代将軍足利義政は千本釈迦堂で行われた法事の参列を終え、牛車に乗った。途中で護衛役の侍が異変に気づき、牛車の中をのぞいたら、義政の姿がない。パニック状態になった供の者が千本釈迦堂まで戻ると、義政がぽつんと立っている。義政の話では、乗ろうとしたら既に牛車がいなかったという。

 では、あのとき、乗った義政は何者だったのか。

 この件に衝撃を受けた義政は、自分の命はもう長くないと死を覚悟した。この逸話は世界最古のドッペルゲンガー伝説ではないか。

 ほかに、小野小町や紫式部が「古事談」などで悪く書かれた理由など、意外な裏側を伝えるエッセー。 (文藝春秋 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853