「ホンボシ」佐藤誠著
「ホンボシ」佐藤誠著
2006年4月、東京都文京区の住宅で、安田種雄の死体が訪ねてきた父親によって発見された。妻のX子は隣室で子どもと寝ていたという。覚醒剤が発見されたことから「覚醒剤乱用による自殺」とされた。X子は後に自民党衆議院議員の木原誠二と再婚したことから、この事件は「木原事件」と呼ばれる。
事件から12年後、警視庁の特命捜査第1係が再捜査に着手するが、翌年、露木警察庁長官が「事件性は認められない」と発言し、捜査は打ち切られる。
だが、検視官が司法解剖の必要性を認めたのは事件性があるからではないのか。X子の取調官だった佐藤誠は「これは殺人事件だよ」と実名告発に踏み切る。
未解決怪死事件の取調官による告発手記。
(文藝春秋 1650円)