「老後は上機嫌」池田清彦、南伸坊著
「老後は上機嫌」池田清彦、南伸坊著
生物学者の池田氏とイラストレーターの南氏。共に1947年生まれの2人による対談集。
始まりは絵の見方について。池田氏は「現実というのは人によってどう捉えているか全部違うわけだよね、ズレがある。現実を絵で表現するときにも、自分が見ている現実と自分が表現したいこととの間にズレが生じる。具象画って、結局そのズレ方の面白さじゃないか」と持論を展開。南氏は世の多くの人は絵を見るには「こうしなきゃいけないって、お作法があると思ってますよね」と、なぜそうなってしまうのか分析する。
以降、盲目の有名ピアニストを例に、脳の働きと天才の関係、さらに成功者のトキソプラズマ感染疑惑や、生物の擬態など縦横無尽、興味のおもむくまま軽やかに語り合う。
(筑摩書房 990円)