「マイナーノートで」上野千鶴子著

公開日: 更新日:

「マイナーノートで」上野千鶴子著

 39歳で若年性認知症と診断された丹野智文さんが「認知症の私から見える社会」(講談社+α新書)を出して、この本を読むオンラインイベントを実施した。

 これまでは認知症の専門家や認知症患者の家族が認知症について書いたり論じたりしてきた。認知症当事者は発言能力がなかったり、あっても取り合ってもらえなかったりしたのだが、この本では「社会が認知症当事者をどう見ているか」ではなく、「認知症当事者に社会がどう見えているか」を論じている。「さっきも言ったでしょ」と言われるようになり、医師も認知症当事者の体調を本人ではなく家族に聞くようになる。

 違った視点があることを気づかせてくれるエッセー集。 (NHK出版 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  2. 2

    絶対守護神マルティネス「巨人入り」急浮上の舞台裏…米敏腕記者が「2年24億円で合意間近」と

  3. 3

    フジテレビが2番組を終了させダウンタウン松本人志に「NO」を突き付けたワケ…日テレとは異なる対応

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  5. 5

    米倉涼子「ドクターX」興収30億円でも満島ひかりが阻む"興収女王"の座…期待値の高さから落胆の声も

  1. 6

    立花孝志氏が大阪・泉大津市長選で惨敗…有権者の投票行動を後押しした「お笑いみたいな噂」

  2. 7

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  3. 8

    安倍昭恵氏が石破外交“切り札”に? 米トランプ次期大統領との会談模索に「私人」を担ぎ出す情けなさ

  4. 9

    安倍昭恵さん×トランプ夫妻「夕食会」の舞台裏…永田町で飛び交う臆測と“パイプ役”の名前

  5. 10

    M-1グランプリ審査員は“完璧な布陣”…ますます高まる「松本人志不要論」