「崩壊する日本の公教育」鈴木大裕著
「崩壊する日本の公教育」鈴木大裕著
日本中どこの公立小学校でも同等の教育を受けられるという「公教育」のイメージは過去のものとなりつつあるという。
新自由主義的の偏った世界観の蔓延によって、教育をも「付加価値的な投資」とみなし、生徒や保護者を学費や納税で教育という「商品」を購入する「お客さま」、教員は教育という「サービス」を提供する労働者、教育委員会はクレームを受け付けるカスタマーサービスへと置き換えられてしまった。その結果、教員は「お客さまを教育しなければならない」というジレンマを抱えるに至ったという。
問題山積の今日の教育現場が抱えるこの息苦しさの原因はどこにあるのか。すでに公教育が崩壊している米国に追随する日本の教育政策の誤りを指摘し、あるべき改革の道を示す警世の書。 (集英社 1100円)