「血統と戦績で読む伝説のダービー馬図鑑」江面弘也監修、マイストリート編著
「血統と戦績で読む伝説のダービー馬図鑑」江面弘也監修、マイストリート編著
次の日曜日は、中央競馬の1年を締めくくる有馬記念。1956年に始まった有馬記念は、中山競馬場でも日本ダービーに匹敵する大レースを催すべく企画されたという。
本書は、このように競馬に関わるホースマンのだれもが憧れ、現在も競馬界最大の祭典であるダービーにまつわる一冊。
その歴史と、これまでにダービーを制した全ての「ダービー馬」を解説してくれる。
「東京優駿大競走」と名付けられ創設された日本ダービーの第1回は1932(昭和7)年。
当時は11の競馬倶楽部が馬券販売を伴う競馬を開催する「公認競馬」の時代だった。英国のダービーにならって創設されたため、当初から日本ダービーと呼ばれ、主催は東京競馬倶楽部。その後、各倶楽部が合体して日本競馬会に変わり、国営競馬時代を経て、1954年にJRA(日本中央競馬会)が発足して現在に至る。出走条件は4歳(現在の呼称は3歳)牡馬牝馬、距離2400メートルは第1回から変わらない。
栄えある第1回の優勝馬「ワカタカ」(父トウルヌソル 母種信)は、デビュー戦こそ5着に敗れたものの第2戦で10馬身差で圧勝。その勢いで1番人気で迎えたダービーも2位に4馬身差をつけて、見事優勝賞金1万円を獲得した。
翌年の「カブトヤマ」(父シアンモア 母アストラル)は、第14回の優勝馬「マツミドリ」を生み、後に格言となる「ダービー馬はダービー馬から」を初めて実現した。
第16回を制した「タチカゼ」は、19番人気で史上最高の単勝配当5万5430円を記録。以後、今年91回の「ダノンデサイル」まで全ダービー馬のエピソードとデータ、その後の活躍を詳述。
91頭全ての血統が分かる種牡馬系統図なども添えられたファン必携本。 (イースト・プレス 2860円)