その不調は更年期障害かもしれません(2)閉所恐怖症を訴える患者は少なくない
40歳を過ぎたあたりから、さまざまな不調に悩まされる「更年期障害」。閉経を境に急激に女性ホルモンが減少し、自律神経が乱れて起こる病気だ。中には思わぬ症状から更年期障害と診断されるケースも少なくない。
都内在住の50歳女性は、45歳ごろに、突然、顔から汗が噴き出す症状に見舞われた。猛烈な発汗に驚いたものの気にせずに過ごしていると、2カ月程度で症状は自然となくなった。それからは何事もなく過ごしていたが、今年1月、家族と訪れたお好み焼き店で壁側(鉄板を挟んで奥側)の席に座ったところ、突然、「外に出られない」「閉じ込められた」という恐怖感に襲われ、思わず店を飛び出した。
別の日、子供たちとテーマパークで大スクリーンに映された映像に合わせて椅子が動くアトラクションを体験することに。座席数の多さから一度に数十人を収容できるが、人いきれで息苦しさを感じてパニックを起こし、「外に出してください!」と叫んでスタッフに救護された。
6月からは、モワッとした生ぬるい外気に触れるだけで息切れを起こして立っていられなくなり、やがて自宅に引きこもるように。見かねた夫から「ただ事ではない」と心配され、近所の婦人科を受診。医師から受けた診断名は「自律神経失調症」だった。