推奨されている「Access抗菌薬」ってなんだ? 日本の使用比率は23%
本年度の診療報酬改定において、外来使用抗菌薬のうち「Access抗菌薬」を多く使っている医療機関は評価され、報酬が少し加算されることになりました。さて、Access抗菌薬とはいったいなんでしょうか?
2019年、世界保健機関(WHO)が抗菌薬使用量から抗菌薬適正使用を判断するために新たに「AWaRe(アウェア)分類」を利用した指標を打ち出しました。AWaRe分類では、抗菌薬を①Access②Watch③Reserve④Not Recommendedの4つのグループに分類。Access、Watch、Reserveの頭文字をとってAWaReとなるのです。
この中でも、「Access」に分類される抗菌薬(Access抗菌薬)は、狭い範囲の細菌に対して効果があり、コストが安く、安全性が高い抗菌薬とされています。耐性菌を作る懸念の少ない抗菌薬で、一般的な感染症の第1選択薬または第2選択薬として用いられる抗菌薬がAccess抗菌薬なのです。
一方、Watch抗菌薬は、第3世代セフェム系やニューキノロン系など広いスペクトルの抗菌薬が多く、これらは耐性化が懸念されるため、限られた適応にのみ使用すべきとされています。