「悪文の構造」千早耿一郎著
「悪文の構造」千早耿一郎著
誰もが名文家になれるわけではないが、読みやすい文章なら誰でも書くようにはなれる。本書は、悪文を避ける文章技術を伝授する名著の復刊。
文章には、事実や意思の伝達と、感情を表すという2つの働きがある。そして、ほとんどの文章は、これら2つの働きを併せ持っていると説く。さらに文章を読んで「分かる」「分からない」とはどういうことかを解説しながら、洗練された機能的文章とはどういうものかを「工学」の理論を応用し解き明かしていく。
一回読んだだけではその内容がすぐには理解できない法律の条文などを例に、日本語における文章の構造とその仕組みを分析するなど、多くの実例を取り上げながら、長文になりがちな悪文を機能的な文章に洗練させる技法を徹底講義。 (筑摩書房 1210円)