“上方の爆笑王”落語家・桂雀々さんが語る壮絶「極貧生活」

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 その揚げ句、オトンはボクを残したまま夜逃げ。たまに生活費を1000円、3000円と置きに来たんやけど、独りぼっちで暮らさないかんようになりました。

 しかも、電気もガスも止められ、夜はロウソクの明かりだけが頼り。ご近所の人が気遣ってくれはったけど、毎度毎度迷惑かけるのも心苦しいから、我慢して食うや食わずですわ。それでも借金取りはよもや子供を見捨てて一人で夜逃げするような親はいてへん思うから相変わらず来ますわね。その一人がボクに生活費をくれた闇金融やった。最初は「こりゃ殺される」とホンマに覚悟したほどエライけんまくでね。ボクは泣き落とししか手はないわけですわ。ワンワン泣いてオッサンの足にすがるように窮状をしゃべりまくった。

 その切羽詰まった様子にオッサンも同情してくれはったんやね、きっと。で、小遣いくれただけやなく、その晩以来、ピタッと借金取りは来んようになった。ホンマ、人間死ぬ気になったら何でもできる、思いましたわ。

■ラジオから聞こえた「狸の賽」で落語に出会う

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