ピン芸人・佐久間一行 絵本上梓のウラに旧友又吉の奔走

公開日: 更新日:

 物語は、主人公の「ふでばこ君」が仲間と一致団結し、あらゆる困難に立ち向かうというシュールな設定だ。悪者が登場しないのは、「くるっと平和解決」という決めゼリフで締めくくる佐久間の芸風にも通じる。そして読む人の心を温かくするが、出版不況の折、実績のない新人が本を出版するのは簡単ではない。なかなか話が進まない中、動いたのが、同じ吉本所属のお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹。東京吉本総合芸能学院(東京NSC)の3年後輩で「ふでばこ君」の愛読者だった又吉が、自ら出版社に売り込んだという。

「昨夏のある晩に2人で落ち合って、ワンカットずつ意図の説明をしたら『原稿を預からせてくれ』と。又吉は膨大なイラストの束を自分のリュックに入れ、『もしかしたら肩がちぎれるかもしれない』とボヤキながら暗がりの道へ消えて行ったんですが、いまでもその後ろ姿は忘れられません。後日、台風で雨風が吹き荒れる中、出版社の編集さんを尋ねてプレゼンしてくれたそうです。又吉とは付き合いが長いんですが、苦楽を知る仲間のひとり。僕の状況を見て思うところがあったのかもしれません」

 舞台裏には物語さながらの「深イイ話」があった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ