小島慶子<上> 忖度の時代に「直言」を全うする意義とは

公開日: 更新日:

 ただ、メディアで発言する者として、世の中の空気がギスギスしたり、人が傷ついたり嫌な思いをしたりしないように心がけています。放送局の社員だったこともあり、公の場で発言することの影響力や意義について考える習慣がつきました。バラエティーだろうが報道だろうが、テレビの発言はショーであり、日常会話とは違います。

 私自身そうですが、自宅でテレビやラジオを見聞きする時って、着慣れた普段着でリラックスして、無防備な状態であることが多いですよね。身構えていないぶん、良いことも悪いことも心に刺さりやすかったりする。テレビの出演者同士は了承済みのじゃれあいのつもりの会話でも、表現次第で人を不快にしたり、差別を助長することがあります。

 そうそう、たまに「毒舌キャラで」とお願いされることがありますが、何とかキャラっていうのもよく分かりません。思っていることを発言するだけで「毒舌」だなんて、ずいぶん安易なネーミングだなと(笑い)。「毒舌」は、高い技術が必要なんですよ。ただ思うことを言うのは、「直言」です。私はそっち。だからときどき、「あの……毒舌の意味、辞書で引きました?」って尋ねてます。齢44、いろいろ考える今日この頃です。

(<下>につづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  2. 2

    旧ジャニーズ“復活”で女帝復権か…米国でスルー状態のTravis Japanを日本メディアが一斉ヨイショの裏

  3. 3

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで

  4. 4

    巨人、阪神などライバル球団が警戒…筒香嘉智に復活気配、球際の弱さからの脱却

  5. 5

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  1. 6

    甲斐拓也だけじゃない!補強に目の色変えた阿部巨人が狙うソフトバンク「Cランク」右腕の名前

  2. 7

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  3. 8

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  4. 9

    番長・三浦監督の正体《サラリーマン、公務員の鑑のような人格》…阪神FA移籍せず残留の真意、堅実かつ誠実

  5. 10

    カトパン夫の2代目社長は令和の“買収王”? 食品スーパー「ロピア」の強みと盲点