戦争映画の金字塔 「ダンケルク」人気の理由を評論家解説

公開日: 更新日:

「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督の最新作「ダンケルク」が好調だ。興収ランキングでは首位スタート、しかもエンタメ作じゃないのに5~6人に1人のお客さんが割高なIMAX上映版を観賞するという、熱のこもった興行となっている。

 物語の舞台は第2次世界大戦の西部戦線。フランスの北端ダンケルクに追い詰められた英仏軍40万人を救出するため、民間船まで総動員して行われた史上最大の撤退作戦を描く戦争ドラマだ。その魅力を映画批評家の前田有一氏が解説する。

「CG全盛の現代に、あえてアナログな手法で撮られた映像の迫力につきるでしょう。海岸に集結した大軍のシーンでは6000人ものエキストラを使い、海に浮かぶ駆逐艦も本物。空戦の場面では稼働する当時の戦闘機にカメラを載せて実際に飛ばしました。これら骨董品のような機体や船体の修復だけでも数億円単位のカネをつぎ込んでいる。ハリウッドといえど、そんなムチャが許されるのはこの監督の映画くらいです。だから観客としても、せっかく見るならばとIMAXの大画面を選ぶのでしょう」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド