新喜劇座長の酒井藍 攻めのボケ志し小籔をマネた若手時代
教えていただいたことは、ようさんあるんですが、最初に学んだのは一番大事なボケのつくり方。小籔さんいわく、「たとえトンがった笑いでも、しっかりボケの前にフリをつけたらどんなお客さんにもわかってもらえる」。
新喜劇は基本的にはお芝居なんで、ちゃんとしたストーリーがあって、前フリを入れてストンと落とす。これが鉄則です。例えば、7月の座長初公演は片思いするうどん屋の店員さん役やったんです。一景でお相手が「渡哲也のファン」と耳にして、二景では渡さんソックリの角刈りカツラをかぶり照れた表情で登場して、恋する乙女の勘違いのギャップを演出しました。他にも間の取り方だったり、セリフはリズミカルで笑いのタイミングを外さない適度な長さとか……。挙げていけばきりないです。
そして、4、5年経って慣れてきた頃からツッコミが多い内場さん、川畑さんが座長の時に一ボケをやらせてもらうようになったんです。初めは滑る時もありました。でも、ウケた時の快感はこれぞ「ザ・新喜劇!」って感じで、言葉じゃ表せないほどうれしい。保育園の頃からの憧れの舞台に立ててるって実感と感動ですね。