ITセミナー講師刺殺事件 凶行のトリガーとなった“接点”は
福岡市で起きたIT関連のセミナー講師を務めていた会社員(41)の殺害事件。典型的な「構ってちゃん」タイプだとみられる加害者と被害者との接点は、ネットのどこにあったのだろうか。
被害者は、5月に加害者から定期的に絡まれていることを明らかにする記事を書いていた。この“一度だけの関係”が凶行のトリガーとなった可能性がある。
加害者は、公衆の面前でこの上なく侮辱された、と感じてしまったのではないか。
実際のところ、ブログやSNS上で記事やコメントの書き手と、書かれた相手やそのシンパとが言い争いのようになり、罵詈雑言を吐き合って炎上するなど珍しくもない光景だ。
だが、現実世界での殺害まで至った例は聞いたことがない。不幸だったのは、被害者が自分のセミナーについて日にちや場所を宣伝していて、それが加害者の地元だったことである。
ネットでモメていても現実世界での居場所や行動を掴むことは困難で、接触することそのものがかなり難しい。今回は物理的に到達可能なエリアに被害者が自らやってくる上、都合をつけやすい夜の時間帯であり、しかも本人が積極的に宣伝していたのが災いした。