福岡でIT講師刺殺 なぜSNS上の遺恨が現実社会に波及したか
福岡市の創業支援施設で6月24日、IT関連のセミナー講師を務めていた会社員(41)がトイレで刺殺された事件は、大きな衝撃を与えた。
加害者と被害者とはブログ上で以前からトラブルを起こしていたとされ、ネットの遺恨が現実世界にまで波及したあげく、最悪の結果を招いてしまったのだ。
報道によれば、加害者は最初から刺すつもりでタイミングをうかがっていたばかりか、犯行時にはメッタ刺しにしたという。それほどまでの遺恨とは何なのか、動機の全貌が明らかにならないうちは、ネット上での表現や発信が萎縮してしまうとの不安が増していくのも致し方ない。
被害者は炎上の分析やブログに関する各種ノウハウの専門家だったといい、単著や共著もあった。よくわかっているはずの人物だったのだ。それがなぜ、という誰もが抱く疑問を解くため、舞台となったブログをザッと見てみた。だが、加害者が彼の気に入らないブログ記事や記事につけられたコメントに対し、「低能」とあおるように文句をつけて荒らし回っていた様子はあるものの、被害者と加害者とが直接的、致命的にモメたという痕跡は見つからなかった。