「売れると、飲みたくもないお茶が出てくるんだよ」
「彼のボーカルもまた、どこにもない独自のもの。まず、声が届く。耳にも胸にもです。英語風にフェイクしない、はっきりとした発声で、日常に使う言葉をメロディーに乗せた。使い古されて手あかのついたような言葉も生き生きとした情景が付け足され、よりリアルに新しく光るのです。日本語ロックのボーカルには、『清志郎以前、以降』という区切りが存在するように、それ以降のフォーマットを清志郎さんがこの頃につくり上げたのですね」
その隠し味ともいうべき、清志郎のセンスはどこなのだろうか。
(つづく)