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片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

趣味は温泉と…肝炎患ってから楽屋で熱心にお灸をしていた

公開日: 更新日:

 1980年、新生RCサクセションは、体力の限り走り回りながらシャウトする清志郎のパフォーマンスが爆発的人気を呼ぶ。片岡さんがRCの所属事務所に就職した82年、清志郎は「い・け・な・い ルージュマジック」(坂本龍一とユニットを組んだ資生堂キャンペーンソング)、「SUMMER TOUR」(RCサクセション)とベストテンシングルを連発し、年間100本におよぶ全国ツアー、テレビ出演など過密スケジュールに追いまくられていた。ただ、低迷期だった70年代後半の荒れた生活も清志郎の心身をむしばんだのか、疲労度はピークに達していた。

 アルバム「OK」(83年)のハワイ・レコーディング時に体の異常に気づき、診療を受けた医者から「キミの肝臓は一生治らない」と宣告を受ける。清志郎は東洋医学を実践し、見る見るうちに肝炎を克服。1年後、同じ医者が「奇跡だ」と驚いたという。

 80年代、ツアーに同行していた衣装係の片岡さんが語る。

「私が同行しだしたのが、ちょうど東洋医学を実践しはじめた時期だったようで、清志郎さんは楽屋でも熱心にお灸をしていました。日課ですね。お灸のにおいが廊下に流れてくると、スタッフの間で清志郎さんが楽屋入りしたという合図でもあった。もぐさを米粒大にして、肌に直接のせるお灸で、小さなお灸痕が体にたくさん付いてました。『効いている証しだ』って。清志郎さんは股関節が柔らかくて、座禅の姿勢も苦にならない。楽屋のお灸と座禅姿をよく思い出します。もの静かでおとなしいし、歩く姿は音もなく、若い頃から温泉好き。30代前半で趣味が『お灸と温泉』ですから。なんかジジくさいですが、常日頃から『体にいいこと』を実践してコンディションづくりしていたんですね」

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