直角お辞儀、後輩に敬語…前川清50周年の裏に“謙譲”の美学
長崎の同郷、福山雅治から作詞作曲の楽曲「ひまわり」の提供を受けた時にはこんなエピソードも。城下氏が続ける。
「前川さんの代名詞でもあるビブラート、いわゆるコブシをきかせる歌い方を曲のサビでされたとき、レコーディングスタジオに同席の福山さんから『普通に歌ってください』とのリクエストがあったそうです。前川さんは『わかりました』と、すぐに歌い方をかえて臨んだ。自尊心とか、戸惑いもあったでしょうに、そうしたところは一切見せなかった。楽曲はヒットし、前川さんの新しい魅力として、ファンにも好意的に受け止められたそうです」
第一線を50年も走り続けてきた背景には、大物であってもおごらない感謝の心と後輩からも学ぶ姿勢を忘れない謙譲の美学があった。