頭脳警察PANTAさん 内田裕也さんとの最後のツーショット
形見分けでもらったジャンパー
よくも悪くも古いタイプの業界人。興行界との付き合いもあって修羅場をくぐってきたし師弟関係も厳しい。ジョー山中なんか、裕也さんが乗ったクルマを見送る時、クルマが見えなくなるまで直立不動だったというからね。オレはそこまではできない(笑い)。だから、亡くなるまでずっと付かず離れずのほどよい距離感を保った。
ある年のニュー・イヤー・ロック・フェスで舞台袖にいたら裕也さんがそっとオレを手招きし、紙袋を差し出した。何かなと思ったら「『コミック雑誌なんかいらない』のお礼をしてなかった。革ジャン買ってきたんだけど、着てくれる?」って。頭脳警察のアルバムに入っている「コミック雑誌――」は日本語の詞なんだけど、彼が73年に出した外国のカバー曲中心のソロアルバム「ロックンロール放送局」の中に入れてくれて、すっかり裕也さんの持ち歌になっていたし、彼が脚本、主演した映画のタイトルにも使われていたからね。そういう気の使い方がかわいいよね。
今日着てきたジャンパーは裕也さんの形見分けでいただいた「ミチコロンドン」というブランド品。普段は気恥ずかしくて着たことないけど読者に特別サービス(笑い)。今年のニュー・イヤーズ・ロックは追悼公演。裕也さんの代わりに「コミック――」を歌おうかな。
(取材・文=山田勝仁)
■最新アルバム 頭脳警察50周年記念「乱破」
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■DVD 「下忍 赤い影」
■ライブ予定 12月22日、第19回「アンチ・クリスマス2019『METAL POLICE』」(渋谷ラ・ママ)