林家ぺーさん振り返る 結婚3年目で宍戸錠と共演エピソード

公開日: 更新日:

俳優でバラエティーに出たパイオニア

 思い出はたくさんあります。

 ハワイロケと聞いて、初海外だったのでわざわざパスポートを取って成田空港に行ったんです。師匠はじめ周囲の芸人に散々自慢して。ところが、旅行会社の手続きミスと言われ、搭乗ゲート手前で無残にもキャンセル。立ち直れないくらい呆然自失でした。その直後、野呂圭介さんがいつもの看板を持って現れ、「どっきり」とやっと気がついて。あまりのことに、怒る気力もなかったけどね(笑い)。真冬の北海道ロケは過酷でした。札幌で上はシャツ一枚にフンドシ一丁、おまけに裸足で通りがかりの人に防寒具を借りるという設定。それって、変質者ですよ(笑い)。

 だまされて真剣に怒ったこともありました。でも、スタジオに行って錠さんのお顔を見ると、そんな嫌な気分もどこかへ吹き飛んでいっちゃう。一人の人間として温かいものをお持ちなんです。僕なんてお笑い芸人ですから、偉そうなこと言えませんけどね(笑い)。

 名司会者で、ある時はだまし役、ある時はだまされかけたこともあった錠さんですが、番組スタートから慣れるまでは苦労されたと思います。今でこそ俳優であってもバラエティーに出たり、トーク番組で素顔を見せるって珍しくなくなりましたけど、70年代前後はほとんどいなかった。錠さんがパイオニアじゃないでしょうか。

 しかも、偉ぶらずビックリするくらい腰が低い。なんせ番組の打ち上げの名物といえば、パンツ一丁になった錠さんが歌うエロ替え歌。歌詞の中に日活時代の大スターを織り交ぜるもんだから、毎回大爆笑でしたよ。そんなところが長い間、スタッフや共演者から愛され、第一線でご活躍された秘訣だったんでしょうね。

 ありがとう錠さん。心からご冥福をお祈りいたします。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり