ブルーインパルスの「かっこいい」に利用されないように
ひねくれているのかもしれない。でも、もう50年前の高度経済成長時代の幕開けの無垢な少年ではない。その成長の陰で、公害、薬害、自然災害時の人災、散々国から裏切られる庶民の姿を見てきたのだ。
あの写真の主役は自衛隊でも戦闘機でもない。晴れた青空であると私は思う。人は8割ぐらい空に萌えているのだ。もしあの戦闘機がこれから他国に出撃するその瞬間であったら、同じように爽やかになれるだろうか。
航空ショーは、日ごろ馴染みの薄い軍隊(日本では自衛隊)に親しんでもらうために行われる。「強さ」「カッコよさ」をアピールし「国威発揚」するためでもある。
そうなるといったい誰が考えたのかが気になる。防衛大臣はその質問に「結果が大事だ。プロセスはどうでもいい」と言ってごまかした。言いたくないのはなぜか。
あの一枚の写真を見てプロは「絶対に偶然撮れる写真ではない。人々の顔が写らずこのアングルにするには計算され尽くした演出がいる」と言っている。そんな予算はどこが出したのか。