名曲聴いて納得 歌詞に力がないからヒット曲が誕生しない
23日「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日系)を見ていたら“これまで全国の歌唱コンテストで9回優勝、美空ひばりを200曲歌いこなす”という、11歳の少女が美空ひばり博士ちゃんとして登場。昭和の歌姫がいかに偉大だったかを熱弁していた。
26日「うたコン」(NHK)でもひばりは大活躍。「歌姫の名曲集」で「真実一路」、リクエストでも「ビッグショー」で力強く歌う「柔」の映像が流れ、大阪桐蔭高校吹奏楽部と天童よしみがリモート共演で「川の流れのように」を歌った。
コロナ禍で公開収録ができない「うたコン」はこのところ「わたしたちには歌がある!」と題して秘蔵VTRで番組を作っており、今回はその第6弾。昭和の名曲はいつ見ても心に響く。
くしくも先週「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)でさだまさしを、「関ジャム完全燃SHOW」(テレ朝系)で中島みゆきを取り上げたが、改めて歌詞の力を考えさせられた。
例えば、さだまさしの「償い」。運転免許の更新時に聞かされる曲としておなじみだが、ある時、傷害致死容疑で起訴された少年に対して裁判官が「君たちはさだまさしの『償い』という歌を聴いたことがあるだろうか。この歌のせめて歌詞だけでも読めば、君たちの反省の弁が人の心を打たないかわかるだろう」と諭した。裁判官が具体的な曲名を挙げて説諭したのは異例で、新聞でも大きく取り上げられた。今の歌には人生観が変わるほどの歌詞力があるだろうか。