著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

槙原敬之も…タブー打破した最大の功労者はおすぎとピーコ

公開日: 更新日:

 当然、東京から来た我々を明らかに敬遠している様子。慣れてきたところで槙原の名前を出すと一転、「神様みたいな存在」と冗舌になる子もいた。やはり大阪でもゲイの世界では槙原の存在は特別だった。槙原が行きつけの店を2日がかりで割り出したが、店は完全会員制。入店も拒否され確証は得られず、真夏の夜の取材は終わった。

 月日は流れ、槙原はベールに包まれていた私生活も、彼の存在も明かしカミングアウトした感もあるが、これもゲイの世界が一般に認知されるまでになった時代背景も少なからず影響していると思う。

 男女関係ならとことん暴く週刊誌も、昔から「ゲイ・レズ・整形」の話はタブーとされていた。どんなに裏付けが取れても当人が認めない限り記事にはできない。そんなタブーを打破したのが今やテレビ界を席巻するオネエ系タレントたちだった。

 かつてはなかなか世間に受け入れてもらえなかった彼らが、堂々と市民権を得るまでになった最大の功労者は“おすぎとピーコ”の双子のタレント。

 それぞれ映画ファッションの評論を本業としながら情報番組のコメンテーターに進出。歯に衣着せぬ毒舌と「男の子大好き」を前面に押し出した明るいキャラでお茶の間に浸透。オネエ系に対する視聴者の抵抗感を解きほぐしていった。2人がつくったオネエ系タレントの道を後輩たちが続いた。一時はオネエ系だけの番組までできた。

 さらに、ニューハーフからマツコ・デラックスら女装家まで出現。ゲイを隠す時代から完全に解放された。

「好きな彼と堂々と生活できる環境ができれば、槙原は音楽家としてさらに進化した楽曲が作れるはず」と音楽界からは期待する声が上がっている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」