総理大臣のお相手も…取材のハードルが高い「芸妓の世界」
1989年、75代総理大臣・宇野宗佑と神楽坂芸者のスキャンダルは、いまだに語り草になっている。
お座敷遊びに興じる宇野は芸者の3本の指を握り、「自分の愛人になってくれたらこれだけ出す」と迫った。3本とは「月30万円のお手当」の意味だったが、芸者の相場は1桁違う。300万円である。
呆れた芸者が「時の総理がこんな人とは」と週刊誌に告発。宇野首相はわずか2カ月で地位を失ったが、思わぬ形で注目されたのが芸者の世界だった。ネットワークを駆使してたどり着いた鬼怒川のトップ芸者の話は、目からうろこの驚きだった。改めて取材メモをひもとく。
「銀座で着物やカツラを買う用事がある」と取材は東京になったが、鬼怒川からは「いつものこと」と自費で往復タクシーを利用してきた! 和食屋のテーブル席。髪を下ろし洋服だったが、お酒を飲むうちに、「お座敷が多いからこのほうがラク」と椅子の上に足を上げて横座り。
彼女が呼ばれるお座敷は田中角栄から外国の要人、さらにスター俳優から歌手など超VIPのお客さんからご指名がかかった。