バラエティーの一大勢力 かつてオネエ系は日陰の身だった
閉店後、週刊誌企画「あの人は今」のひとりとして何度か取材したが、「川崎辺りにいる弟の世話になっている」という話までしかたどり着けなかったが、後輩の話が印象に残っている。
「この世界は一線を離れたら日陰の身に戻るだけ。ひっそり目立たないように生きていくしかない」
青江時代のチーママから独立。喜劇俳優・三木のり平のひいきで出したのが熱海の「のり平」だった。国立大出の秀才でホモとゲイの違いなどご教授いただいたが、「体まで女になってしまうニューハーフと私たちを一緒にして欲しくない」という言葉が強く印象に残っている。
ニューハーフとは大阪で出会った。戸籍上は男ながら体は完全に女に整形していた。女性ホステスとして働いていたが、誰もニューハーフと気づかない美形。取材のきっかけはある歌手との関係を告白したことだったが、その歌手は告白されて初めてニューハーフだったことを知ったほどだった。
男から女になるまでの道のりは時間とお金。時間をおいてパーツ整形するが、一番難しいのが、実はお尻だという。美しい女性になって好きな男性に愛されたい願望の強いニューハーフ。整形後のアフターケアも重要らしい。スリムな体形維持のためにはダイエット。余計な肉は取れるが、同時にお尻の肉まで落ちる。女性は子宮があるからお尻は張るが、男性は張らない。
昔は整形でお尻に肉を付けることはできなかった。「お尻がストーンと落ちているから、パンツファッションができなかった」のが悩みだったのも、今ではお尻の整形も可能。ようやくすべて手術が完了した。女になるまで5年以上を要し、何千万円もの費用がかかったそうだ。