5代目春風亭柳朝に入門 二つ目になるまで70超の噺を覚えた

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「掃除やお使いなど、家事の手伝いを一切やらせませんでした。『うちはやらせねえんだ。女中じゃねえんだから』と。その代わり、『できるだけ多く落語を覚えろ』と言われました。10代のうちに覚えておくと、月日が経っても忘れないもんだって。確かにその通りで、間違いない指導法だったと思います」

 当時は現在と違って、前座見習でも寄席で働くことができた。1970年4月、正式に前座となる。

「うちの師匠が他の師匠連に、『俺の弟子に稽古をつけてくれ』と頼んでくれたので、いろんな師匠のとこへ稽古に行きました。三遊亭円弥師匠、入船亭扇橋師匠。柳家小三治師匠のとこへ行ったら、『なんで俺がおまえに教えなきゃいけねえんだ』とぼやきながら稽古をつけて下さいました」

 一朝の芸域が広いのは、林家彦六、柳朝のネタだけでなく、若い頃に三遊派、柳派のネタを多く覚えたことにあったのだ。

「稽古してるかしてないか、柳朝からチェックが入る。怠けてると怒られるので、二つ目になるまでの5年余りの間に70以上の噺を覚えました」

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