“和製マイク・タイソン”大和武士さんが挑む人生のリベンジマッチ
「もともと、菅原文太さんに憧れてて俳優になりたかったんだ。そのステップにカッコよく思えたボクサーを選んだ」
上京後、飛び込んだのは名門・ワタナベボクシングジム。86年の全日本ミドル級新人王を獲得して注目を浴び、88年3月21日、日本ミドル級王座を奪取した。
そして、赤井英和主演映画「どついたるねん」(89年)で俳優デビュー。菅原文太と共演した「鉄拳」(90年)が高く評価され、91年の日本アカデミー賞新人俳優賞に選ばれた。
その後はリングを離れ、俳優一本に。だが「結局はおごりが原因」(本人)で先述した2度の事件を起こし、どん底を味わった。
支えたのは20年前に結婚した社交的で明るい奥さん。今は完全に立ち直り、高3の長男、高1の長女のパパだ。
「子供たちは大学に進学させたいし、まだまだ頑張らないとね」
長女が持参する弁当は毎朝、手作り。最後は父親の顔になった。
(取材・文=高鍬真之)