飯野矢住代誕生秘話<4>母親の要求に山口洋子は「わかりました。ウチも倍の金額を支払います」
「ねぇママ」
私にすり寄って、母さんが何といおうとわたしママのお店にきめたわ。いいのよ明日から働いても、だからちょっと……(中略)
「つまり、母さんの方に内緒のお小遣いをちょっぴり、実はどうしても買いたいものがあるの、男ものだけど」
首を竦めてちろと舌を出した。(中略)
「わっ嬉しい」19歳の日本代表のミスの仕種は、もはやこなれた水商売の女のそれだった》(同)
とにもかくにも、飯野矢住代は山口洋子が渡航費を捻出することで、マイアミビーチで開催されるミス・ユニバース世界大会に、晴れて出場することとなったのである。(つづく)