著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<51>ドン・ファンは新大阪に向かう新幹線からミス・ワールドに4、5分ごとに電話

公開日: 更新日:

 待ち合わせに遅れて東京駅にやってきた野崎幸助さんは、スレンダーな長身美女を伴っていた。彼は私に「ミス・ワールドやで」と、誇らしげに紹介した。

「ああ、ウワサはお聞きしています。お疲れさまでしたね」

 4月の半ばごろからドン・ファンは「ミス・ワールドと付き合っている」と公言するようになっていた。大会の最終予選に残った女性のようだとは聞いていたが、関心は全くなかった。曲がりなりにも新婚で妻帯者なのだから、どだいむちゃな話である。しかし、電話のたびに「ミス・ワールドはええんや」と彼女の話題ばかりになっていたのも事実だ。

 身長は170センチぐらいだろうか。黒が基調の半袖のブラウスに黒のパンツルックで、ショートカットのべっぴんさんだ。宝塚歌劇団にでもいそうな清楚なたたずまいをしていた。

「おはようございます。お世話になっております」

 彼女は頭を下げ、「あの、コレを」と、持っていた社長のバッグを私に渡した。第一印象でしかないが、早貴被告と比較したらミス・ワールドに失礼かな? と思うほど、気立てのいい美女だった。

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