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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<21>「反省はするけど後悔はしない」というのが口癖

公開日: 更新日:

 “独身生活”を謳歌していた飯野矢住代は、身軽さもあってか、気ままに新しい男と付き合った。「ミス・ユニバースをモノにした」と吹聴する者も中にはいたが、さして気にも留めなかった。この頃、矢住代にスタンダードジャズを手ほどきしていた男性ミュージシャンのコメントがある。

「ひとことで言えば、生まれたままの赤ん坊の魂を持ち続けたコだった。思ったことは、体当たりで決着をつけないと気がすまない。男に惚れれば、その家に出かけて行って花を飾り、料理を作ってやる。思いっきり、その場でつくしちゃって、誤解を恐れず、かけひきもしない。“反省はするけど、後悔はしない”というのが、あのコの口癖だった」(「週刊明星」1972年1月23日号)

 ジョニーとの同棲解消後、母の住む渋谷・円山町のアパートに戻った矢住代だが、男ができるたびにそのすみかに居ついた。別れるとまた円山町に戻る。それを何度も繰り返した。貢ぐだけ貢ぐこともあった。金目当てで近づいてくる手合いも少なくはなかった。それでも、惚れた男には惜しげもなく散財した。お金はあるだけ使った。当然残らなかった。

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