映画評論家・前田有一「日本映画はなぜ韓国映画に勝てないのか」

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 Netflixが現地に巨額の制作費を落とすのは、彼らがローカライズ(現地化)をコンテンツ制作の柱にして成功したビジネスモデルだからだ。この点、ハリウッドの話題作に字幕を付けて世界に売りつける旧来のメジャーがやってきた“輸出型ビジネスモデル”とは全く異なる。

 レンタルビデオチェーンを始まりとするNetflixは、もとより自前のコンテンツを持っていなかった。だが他社の権利物をレンタルしたり配信するだけでは成長にも限度があると気付き、自ら映画ドラマ制作に乗り出した。

■キーワードは「ローカライズ」

 その際彼らは、英語圏に特化したメジャー作品と差別化するため、役者、言語からストーリーまで各国・地域の好みに合わせるローカライズに力を入れた。しかも当面の回収は不可能とわかっていながら、凄まじい額の制作費をつぎ込んできた。

 すると何が出来上がったか? 「ハリウッド映画並みの映像技術と予算をつぎ込んだ日本映画や韓国映画や各国映画」だ。「イカゲーム」の制作費も、9話分で約25億円もかけている。この路線が大ウケして現在に至るというわけだ。

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