映画評論家・前田有一「日本映画はなぜ韓国映画に勝てないのか」

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 Netflixが、エンタメ界の話題を総ざらいする状況が続いている。中でも同社史上最大のヒット作となった韓国ドラマ「イカゲーム」の収益が1000億円を超えたニュースは、映画関係者にとっては衝撃だろう。彼らは年間2兆円以上といわれるコンテンツ制作費を武器に、次々とこうした話題作を発表し続けている。

 ただ、映画にしろ配信にしろ、日本人として悔しいのは、話題の中心となるのが最近は韓国作品ばかりという点だ。「パラサイト 半地下の家族」がカンヌ映画祭と米アカデミー賞で最高賞を受賞して以来、世界のエンタメ界における存在感において彼我の差は広がるばかり。

 最近では世界どころか日本国内のNetflix視聴ランキングでも、ベストテンの上位および過半数を韓国作品が占めている状況だ。「イカゲーム」以降も「地獄が呼んでいる」などヒット作が続き、すっかり人気と高評価が定着した感がある。

■Netflixは巨額の制作費を現地に落とす

 韓国の好調の背景には、Netflixが5億ドルもの予算を韓国作品に投じるなど、同国を重視している点がある。北米での契約会員数が飽和に至り、新規会員獲得をアジアに期待するNetflixの戦略によるものだが、同じ立場の日本以上に韓国は結果を出しているようにみえる。

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