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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

DBキャラから降りない…R藤本はただのイロモノではない確かな存在

公開日: 更新日:

 中高生の頃、藤本は「明日が来なければいい」と思うほど“闇の時代”を過ごしたという。医者で厳しかった父親と衝突し、親との関係がこじれた結果、学校生活もうまくいかなくなった。高校は通える距離だったが、父親から寮に入ることを強要された。

「心を閉ざしちゃったんです。いろいろなことを諦めた。だから、友達をつくろうとも考えなかったです。恋愛とかはもちろん、自分が大人になる姿も想像できないレベルでした。どっかで死ぬんだろうなって思ってました」(ヤフー「Yahoo!ニュース特集」20年8月15日)

 当時をそう振り返る藤本が、ベジータに引かれたのも彼に「負けの美学」があったからだ。

「必死にやって負けたりしてるのをずっと繰り返してる感じが、なんかお笑い的に面白いなって思ったんです」(同前)

 藤本は自身のモノマネについて、オフィシャルブログで「モノマネというより、人格」(11年5月2日)と形容している通り、通常のトークの場面などでも決してベジータから降りずに、なりきり続けている。それは自分が視聴者だったら、ベジータだと思って見ていたのに、自分の素が出てきたら嫌だと思ったからだ。

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