海老蔵×キンコン西野「プペル」はまともな新作歌舞伎になっていた
今月から歌舞伎座は、2年前のコロナ禍以前と比べると約3割の値上げとなった。それだけ経営的に苦しいのだろう。販売されるチケットもこれまでの半分から3分の2と増えた。初日や次の日は売れていたが、その後は完売には程遠い。
■見かけの華やかさとは裏腹の厳しい現状が…
先日は唯一の歌舞伎専門誌「演劇界」の休刊も発表された。見かけの華やかさとは裏腹の、厳しい状況が垣間見える。
海老蔵の新橋演舞場も、完売とはならなかった。キングコング西野亮廣の絵本を原作とした、新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』で西野自身が脚色した。
海老蔵がプペルを含む3役、原作では主人公だった少年を、堀越勸玄と市川ぼたんが交互に演じる。
原作やアニメ映画では、ファンタジーなので、どの時代のどの国の物語なのかは分からないが、歌舞伎版では日本の天明時代と明確にし、浅間山の噴火後で、田沼意次が権勢を振るっていたが失脚するという歴史的事実を背景にした物語にしている。