お見送り芸人しんいちが「R-1」王者になったワケ “毒まぶし歌ネタ”の評価ポイントは?
ネタは2本とも得意の歌ネタで、1本目は「好き」、2本目は「応援するよ」のフレーズを繰り返しながら、有名無名問わず、人の失態やしくじりをとりあげる、やや毒のあるネタ。
■サンドウィッチマンの愛弟子
優勝会見では、賞金は長年迷惑をかけた両親に預けると言い、さらに事務所からクビ寸前だったしんいちを守ってくれたマネジャーに感謝したいと語った。また、事務所の先輩であるサンドウィッチマンの伊達みきお(47)に芸名を付けてもらい、富澤たけし(47)にギターをやるようにアドバイスを受けたとして、「お小遣い、いっぱいもらいました。靴も買ってもらいました。今度は後輩芸人にやってやれるよう頑張れと言ってもらいました」と語った。
“性格が悪いと言われる”と本人は言ったが、多くの人に支えられてきたことに涙ながらに感謝している様子が印象的だった。しかし、ネタはややもすると“有名人をディスっている”と取られかねない際どい内容だ。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう語る。
「毒のあるネタですが、“好きです”“応援してます”というフォーマットに乗せて歌うという仕組みで、イヤな感じに見えず、笑いやすく作ってある。また、歌ネタはともすると単調になりがちですが、緩急がつけてあったりして上手でした。非常に計算された工夫を感じました」