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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

ネタをやり続けている自信から吉住は芸人としてブレないでいられる

公開日: 更新日:

 コンビの時は人の陰に隠れようとする性格のため、存在感が薄く、ウリが分からないなどと言われていた。けれど、ピンになると自分を出さざるを得なくなり、「やたらと『哀愁がある』『悲しくなる』『暗い』と言われるようになって、自分の武器はこれなんだ! と、まわりの人の言葉で気づいた」(吉本興業「ラフ&ピース ニュースマガジン」21年9月4日)という。「THE W」で優勝した時のネタも、そんな彼女の武器を生かしたネタだった。

 だが、優勝後、テレビに多く出始めると「目の前真っ暗っていうか、お先真っ暗」(テレビ東京系「あちこちオードリー」21年6月16日)になった。コントを頑張った先にあったのは「楽しいけど、『変身願望ないですか?』とか、『犬飼いたくないですか?』とか、そういう仕事」(同前)ばかりだったのだ。

 また、自分が何か言ったときに「あれで人が傷ついたんじゃないかとか考えて、私も傷ついちゃうっていう悪循環に」入ってしまった(「アメトーーク!」=前出)。それでも「ちょっとおかしいなって思ってることや、みんながうっすら思ってるけど口に出してない毒は、出してもいい」(講談社「VoCE」21年9月17日)と思うようになってからは、道が開けてきた。

 よりどころになっているのは「ネタをやり続けている」という自信だ。吉住は言う。

「芸人はネタという軸足があることで、落ち込んだり悔しい思いをしたり、逆に楽しかったりしてもブレないでいられる」(マイナビ「マイナビ学生の窓口」21年4月9日)と。

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