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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

自分にプレッシャーをかけ…キャラになりきる友近の「人生コント」

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 芸人デビューすると、友近の世界観をボケにした一人コントは、ツッコミ不在で観客からは受け入れられなかった。しかし、その才能をいち早く見込んだのがバッファロー吾郎だった。

 友近は「若手発掘に熱心なバッファロー吾郎さんがライブに呼んでくださって。すると、周りが“バッファロー吾郎が面白い言うねんなら”と声がかかるようになった」(フジテレビ系「ボクらの時代」14年1月26日)と振り返る。それでも、観客にその面白さが伝わるのには10年近い時間が必要だった。

「私が好きなものも勉強してもらったのか、すごいお客さんとの呼吸があってきたっていうか、共有できだして。10年から以降は何をやっても、友近がこれ面白いと思ってんだね、分かる分かるっていう、完全お客さんが入れ替わった感じがした」(「ボクらの時代」19年2月17日)

 そのネタ作りで大事にしているのは「自分にプレッシャーをかける」こと(テレビ朝日系「お笑い実力刃」21年5月19日)。まず「水谷千重子40周年リサイタル」のように、チラシやタイトルを作ってしまう。すると、40年分の歴史やバックボーンを作らざるを得なくなるからだ。

 やがて西尾一男や水谷千重子は「独り歩き」していくほどの名物キャラとなった。冒頭の番組で友近は水谷千重子、西尾一男の遺影も作って、「最後の単独ライブ」のように自分も含めた3人のお葬式を開きたいと“野望”を語っていた。まさに「人生コント」だ。

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