著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

夏ドラマを見るならこの3本! 公取委ドラマ「競争の番人」は目の付けどころがイイ

公開日: 更新日:

 夏ドラマが始まった。ひとまず(新)マークのドラマを片っ端から見た上で、面白そうなものをいくつか。

 まず月曜のフジテレビ系月9「競争の番人」。杏&坂口健太郎による公正取引委員会を舞台にしたドラマ。公取委はよく耳にするが、実態を知る人は少ないと思うので、その仕事ぶりを見るだけでも興味深い。いいところに目を付けた。カルテル疑惑のホテルオーナー役の山本耕史、ラスボス感のある小日向文世と早々に敵が出てきたのもわかりやすい。高得点だ。

 それにしても小池栄子だ。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で抜群の存在感を見せているが、今回もいい味を出している。原作は前回の「元彼の遺言状」と同じ新川帆立。2クール連続、同じ作家の原作を使うのは初めてのことらしい。

「プリズム」杉咲花はうまい

 火曜は永野芽郁の「ユニコーンに乗って」(TBS系)と杉咲花の「プリズム」(NHK)が同時間帯で激突。「ユニコーン──」は永野が若きスタートアップ企業のCEOというところでお花畑ドラマかとさほど期待はしなかったが、西島秀俊演じるおじさんが転職するという展開にハマってしまった。

 リアル社会では世代間断絶が進んでいるが、どうすればいい形で共生していけるのかドラマで示して欲しい。懸念すべきはお仕事モードから、恋愛モードになること。彼女を慕うビジネスパートナー役の杉野遥亮もいて、初回では早くも西島に嫉妬の炎を燃やしていた。

「プリズム」は杉咲の繊細な演技にクギ付け。やっぱり「おちょやん」はうまい。ただ、両親は離婚しており、父役は吉田栄作が演じているが、その原因が父親のパートナーが男性だったとなり、またこのパターン? 杉咲が初めて好きになった男性(藤原季節)には忘れられない人(森山未來)がいるという展開のようで。

「テッパチ!」やるならやす子でしょ

 水曜の「テッパチ!」(フジテレビ系)は防衛省全面協力による陸上自衛隊ドラマ。白石麻衣のような上官が本当にいるのか。リアリティーを追求するなら、そこはやす子でしょ。が、前回の「ナンバMG5」同様、若い男性がワチャワチャするドラマ、嫌いではないです(笑)。

 深夜の「ザ・タクシー飯店」(テレビ東京系)は町中華×タクシーという謎のコラボ。飯テロドラマのテレ東もついにネタに行き詰まったか!? 町中華は玉袋筋太郎の「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)に出てきた店も多いけど。

 栗山千明「晩酌の流儀」(テレビ東京系)は自宅での晩酌をおいしく味わうために、すべてをそこに集中させている晩酌女子というキャラは面白く、おつまみもおいしそうでビールが飲みたくなる。が、その一杯が発泡酒。スポンサーとの兼ね合いとはいえ……。

 以上、夏ドラマ速報ということで。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ