「トップガン マーヴェリック」ヒット驀進中! 80年代ヒーロー復活の意外な背景

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「トップガン マーヴェリック」が間もなく興行収入120億円突破、今年の実写洋画ナンバーワンを誇っている。第1作「トップガン」との2本立て限定公開も決定した。この第1作が公開されたのと同じ1986年、テレビで放送を開始した日本の「あぶない刑事」の新作映画も、9月から撮影に入ると発表された。なぜ、80年代を原点とした作品が続々作られているのか?

■「インディ・ジョーンズ」も続編決定

 その理由はいくつか考えられる。ひとつは物語の明快さ。孫の世代が活躍する続編「ゴーストバスターズ/アフターライフ」(2021年)が今年日本で公開された。「ゴーストバスターズ」(1984年~)は、チームによるゴースト退治。来年5作目が登場する「インディ・ジョーンズ」(81年~)は宝探しを目的とした冒険と、80年代の娯楽作は物語がシンプル。刑事ものでも「ビバリーヒルズ・コップ」(84年~)、「リーサル・ウエポン」(87年~)、「ダイ・ハード」(89年~)など、いずれもスーパー刑事が悪を倒すという、勧善懲悪のドラマツルギーが有効に機能していたのが80年代なのである。

 だがその後は「バットマン」(89年)でジャック・ニコルソン演じるジョーカーが注目されたのを予兆として、「羊たちの沈黙」(91年)のレクター博士をはじめ、かつてはヴィラン(悪役)と呼ばれたキャラクターが脚光を浴びるようになっていく。そして正義の立ち位置があいまいになった現代は、社会的な弱者から悪のカリスマへと変貌を遂げた「ジョーカー」(19年)に世界が喝采した。リアルに考えれば、世のダークな側面を象徴するヴィランたちは、リアルなヒーローかもしれないが、その反動でポジティブかつ明快な80年代のヒーロー像を求める波が再び来ているのではないか。

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