NHK夜ドラ「作りたい女と食べたい女」好きな人とおいしいものを食べるシアワセ
NHKの夜ドラ「作りたい女と食べたい女」が最終週に入った。
派遣社員の野本ユキ(比嘉愛未)は料理するのが大好きだ。しかし小食な上に1人暮らしで、思う存分作ることができないでいた。ある日、マンションの同じフロアに住む、食べることが大好きな春日十々子(西野恵未)と知り合う。作りたい女と食べたい女の不思議な関係が始まった。
このドラマ、いくつかの側面を持っている。まず、いわゆる「食ドラマ」としての楽しさだ。登場する「かぼちゃのプリン」や「おでん」が何ともおいしそうだ。また十々子を演じる西野の食べっぷりが実に見事。「ばくばく」「もりもり」といった擬音をビジュアル化したみたいなのだ。
そして更なる側面が、「生きづらさ」を抱えた女性たちのリアルを描いていること。ユキは純粋に料理が好きでしているのだが、「家庭的」とか「いいお母さんになる」とかレッテルを貼る周囲に違和感を持っている。一方の十々子は、保守的な父親から「女だから」という理由で自由に食べることも禁じられてきた。
やがてユキは、自分が十々子に魅かれていることに気づく。好きな人とおいしいものを食べるシアワセ。それは相手の性別とは無関係だ。料理も恋愛も「型」にはめられることなく、自分で決めていけばいい。この作品はそんなメッセージをマイルドに発信している。