著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

大河「どうする家康」世界トレンド1位は本当にスゴイ? 救いは本編後の松重豊ナレーション

公開日: 更新日:

はしょったストーリーには感情移入できない

 今回の「どうする家康」は、従来の大河の徳川家康=たぬきオヤジのイメージを払拭、気弱なプリンス像を描くと書かれていたが、そのチャレンジはよしとしても、奇をてらい過ぎるのはいかがなものか。時代劇は風前のともしびといわれている時代、せめて大河ぐらいは王道の時代劇を受け継いでいって欲しい。

 従来通り、幼少時代の家康のエピソードがあって、徐々に成長していく姿を見せていけばいいものを、そうすることで視聴者は家康に親しみを持ち感情移入できるのに、いきなり松本が出てきて、しかも「ピョ~ンピョ~ン」と人形遊びしているのを見せられてもこれはいくつの家康なのかわからず、フリーズしてしまった。

 これについて、「土曜スタジオ」に出てきた松潤が13歳を演じたと発言していて、余計に驚いた。さすがに13歳は無理がある。第2話で時代を遡り、誕生エピソードをつづっていたが、こうやって時代を行ったり来たりするのが高齢者にはわかりづらい。年寄りは見るなと言っているのと同じことだ。

 イッセー尾形の歯抜けじいさんのクセの強い芝居も苦手だ。笑いも交えてライトにしなければ若者は見ないという固定観念にとらわれ過ぎではないのか。小細工や小芝居が気になって仕方がない。

 心穏やかに見られるのは本編後の「どうする紀行」。重臣・石川数正役の松重豊のナレーションが心地いい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ