北島三郎“小休止”は86歳という年齢からも自然の流れ…引退はせずこれからは自分のペースで
ご本人は「引退はしないよ」と話していて、昨年のコンサートツアーでいったんはピリオドを打ったが、単発公演やゲストとして1、2曲歌うステージは続けるようだ。これからは無理をせずに自分のペースでやっていこうということ。86歳という年齢からも自然の流れだ。
北島は、いつ取材に行っても明るい人で、サービス精神旺盛、そして気さくな人柄だ。忘れられないのは、僕がかけ出しの頃に初めて取材に行った際の出来事。北島のお母さまが亡くなられて、北海道知内町の実家に各局ワイドショーが集まった時のことだ。巨大な鯛が飾られた神式葬儀でスタッフから、「遺影を見ているので一声かけてくれ。本人が話を少しするから、それ以上の質問はやめてくれ」とクギを刺された。
もちろん、「無理はしません」と静かにカメラを並べ、振り返った北島に声をかけてみた。すると、母親の病気のいきさつや、最後は1週間ほど付きっきりだったこと、少しでも長くと思って願かけのために好きなたばこをやめていたことなど、たくさんの話をしてくれた。終わりには「遠いところまで来てくれて、みなさんありがとう」と言ってくれた。あれほど憔悴しているのに気遣いは変わらず、「凄い人だ」と思ったものだ。
その一方、大阪の空港で他人の目を逃れひとりハンバーガーを食べているのを見たこともある。とにかくまだまだ元気な歌声を聞かせてほしい。