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増淵敏之法政大学大学院政策創造研究科教授

1957年、札幌市生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。専門は文化地理学。東芝EMIやソニー・ミュージックエンタテインメントなどでコンテンツ制作に携わった経歴を持ち、現在はコンテンツツーリズム学会会長や文化経済学会日本特別理事などの公職も務める、コンテンツ戦略の第一人者。「ローカルコンテンツと地域再生」(水曜社)、「『湘南』の誕生」(リットーミュージック)、「おにぎりと日本人」(洋泉社)など著書多数。最新刊に「韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか」(徳間書店)がある。

(5)全州市は「二十五、二十一」のロケ地 ローカル都市に足を延ばすと理解が一層深まる

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「二十五、二十一」は2022年にtvNで放送された、IMF危機に揺れる1990年代の韓国で、夢を追いかけ、また諦めざるを得ない若者のそれぞれの青春を描いた作品。主演は「ミスター・サンシャイン」などで知られるキム・テリ、「スタートアップ:夢の扉」などで主演したナム・ジュヒョク。韓国では第2話から3週連続で同時間帯の視聴率1位を記録、最終回は11.5%と高視聴率を残した。主演の2人の繊細な演技がこのドラマの支持者を増やしたのだろう。

 時代背景も1998年が舞台ということもあり、ドラマの設定ではソウルの麻浦(マッポ)区になっているが、ロケは全州(チョンジュ)市が使われている。チョンジュは三韓時代の百済の時から形成された古い町であり、歴史と伝統がたくさん残っている古都でもある。ソウルの龍山駅からKTXで約1時間半の距離にある。人口は約65万人だ。

 キム・テリ演じるヒドの家はチョンジュの韓屋村にある。韓国の伝統建築様式である韓屋がエリア一帯を彩っている。チョンジュ駅と韓屋村は約5、6キロ離れた場所にあるので、駅を出たら市内バスまたはタクシーを利用する。ヒドの家は丘の上にある、この一帯では珍しい洋館だ。

 さてナム・ジュヒョクが演じるイジンがアルバイトをしていたマンガレンタルショップは「ソリパンアッカン」という音楽作業室で、ここもチョンジュのソハクドン芸術村にある。ここでヒドは1990年代にヒットした「フルハウス」というマンガを借りる。また第2話で出てくる商店は「ドンネスーパー」の隣の空き家を使ったとのことで、ここもチョンジュの高速バスターミナルから徒歩で7分くらいのところにある。

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