時代のうねりに目をつむる。それは戦うべき敵(エネミー)を見過ごすことである
とはいえ、勇気ある告発者たちのこうしたアクションが、性加害の実態を明らかにする動きを加速させているのも確か。来週24日には国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が訪日し、ジャニーズ性加害問題を調査する。松野官房長官が記者会見で「これは刑事事件ではない」と言うなど、これまでたいして掘り下げる姿勢も見せていなかった国側も、これで大きく動かざるを得ないかもしれない。外圧、この強きもの。
18日、ジャニーズ事務所は公式サイトを更新し、ジャニー喜多川氏の性加害問題に関する調査の現状を報告した。外部専門家による再発防止特別チームからの提言を受けた上で、日程は未定ながら今後の対応について記者会見を行う意向を示した。これが来週に迫った国連人権理の訪日に向けたアピールであることは論を俟たないが、気になるのは記者会見に藤島ジュリー景子社長が登場するかどうかである。
かねてより提案してきたが、5月に公開された動画では伝えきれなかった言葉を今あらためて伝えたいと彼女が本気で願うのなら、まずは逃げることなく記者たちのジャーナリスティックな質問に向きあうことが最も効果的ではないか。結局のところ、それが一番早い解決につながるとぼくには思えてならない。