石田三成役の中村七之助がNHK大河「どうする家康」を救う?「本能寺の変」続く大きな見せ場
七之助といえば、2012年に57歳の若さで早逝した18代目中村勘三郎を父に持ち、兄は6代目中村勘九郎(41)。勘九郎は19年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」で主人公の金栗四三を演じ、「どうする家康」でも茶屋四郎次郎を演じている。七之助も「いだてん」に三遊亭円生役で出演し、噺家としてクセのある粋な男を演じた。
「七之助は歌舞伎では今や女形を代表する役者ですが、テレビドラマではイマイチ存在感を発揮してきませんでした。天才といわれた勘三郎さんがご存命の時は、“勘三郎さんの次男坊”という扱いで、兄が勘九郎を継いで以降は、兄のバーターでテレビ出演しているというイメージが付いてしまった。真の実力がなかなか評価されてこなかったんです」(弘世一紀氏)
しかし、「七之助の役者としての才能は、兄の勘九郎を上回るかもしれない」と、梨園関係者がこう語る。
「そもそも女形の役者が歌舞伎ファンだけでなく、一般的に評価されるのはかなり難しいのです。しかし、七之助さんの細い体つきに切れ長の目は、妖艶な美女役を演じさせると本当に美しい。映画『ラストサムライ』では、その雰囲気を生かした明治天皇役がピッタリはまっていました。兄の勘九郎さんは骨太な男役ですから、ある意味、何を演じても勘九郎さんなのですが、女形を長年演じた七之助さんは、一般的な男性役のイメージが定着していません。その分、どんな役柄もこなせるし、テレビ的には器用なカメレオン俳優なんです。NHKは七之助さんの石田三成にかなり期待しているはずです」
年末に向かって「どうする家康」の視聴率は上昇カーブを描くかもしれない。