柴田理恵さんSPインタビュー「親の介護はひとりで抱え込まないほうがうまくいく」

公開日: 更新日:

「要支援1」がいきなり「要介護4」に

 次の仕事が控えていた柴田さんは、「ごめんね。仕事があるから、もう行くね」と、意識が朦朧としている母親に対して、そんなふうに静かに声をかけて、病室をあとにしたという。

「それからというものは、母のことが気にかかって心落ち着かない毎日でした。でも1週間後に、再び面会に行ったら、抗生物質の投与などの治療がうまくいき、『わたしが誰だか分かる?』とたずねたら、『もちろん、分かる。理恵』と言ってくれるまでに回復しました。ただ、病に侵された体は極度に弱り、そのタイミングで行われた要介護認定の更新は、入院前が要支援1だったのに対し、入院後は2番目に重い要介護4と認定されました……」

 一般的に要介護4は、常時介護が必要で、自分ひとりでは日常生活が難しい状態である。

「やはり東京に来てもらって一緒に同居するか、施設に入居してもらうのがいいのでは? という考えもちらつきました。でも、それは、子どもの勝手な都合であり、母が望むことではありませんでした。長年、住み慣れた場所を離れ、見ず知らずの場所で子どもと同居をはじめたことで、逆に生活にハリを失い、元気をなくす高齢者がいるという話も聞いたことがありました。母にとって大切なものは、みんな、富山にある。それを無理に奪うことはできない。子どもとしてやってはいけないことだと思いました」

 慣れ親しんだ富山で暮らしたい──。そんな母親の切なる願いをかなえるため、柴田さんは、これまで通り生活拠点は東京のままで、仕事も続けながら、遠距離介護を行うことを決意したという。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ