「言いたいことを言う」ために別の柱をつくろうと決意、レストラン「ジュンチャン」を始めた
何年か前、あるテレビ局のトップから「石田君、きょうは誰と会うと思うかい?」と聞かれたことがある。「安倍首相ですか?」ととぼけると、うれしそうに「安倍さんと菅さんだよ」と言っていた。上がこうなら、下は忖度し、出演者の言動にも目を光らせることになる。それが今のテレビ局なのだろう。
若いころ、7年間、米国で暮らした僕は自分の思ったことを言うのは当たり前だと思っている。テレビに出られなくなるからといって、口をつぐむのは自分らしくない。干されることを恐れず、言いたいことを言う。で、食べるために「別の柱をつくっておこう」とレストランを始めたのである。
おかげさまで、「ジュンチャン」は連日盛況だ。古希でも休む暇なし。それこそが若さの秘訣だと思っている。
▽石田純一(いしだ・じゅんいち) 1954年1月14日生まれ、70歳。早大商学部中退後、「演劇集団 円」の研究生に。88年、テレビドラマ「抱きしめたい!」で一躍、トレンディー俳優として人気を博す。私生活では3度の結婚。いしだ壱成、すみれら5人の子どもがいる。